内窓のカタログを見て、「フレームがどれも樹脂製なのはなぜ?」「アルミの方が丈夫そうなのに」と疑問に思ったことはありませんか。日本の住宅の窓は長らくアルミサッシが主流だったため、樹脂窓になじみのない方も多いはずです。結論から言えば、内窓に樹脂フレームが採用されるのは、アルミに比べて熱を伝えにくく、断熱と結露対策という内窓の目的に最も適した素材だからです。この記事では、樹脂フレームとアルミサッシの違い、断熱性能の仕組み、耐久性やお手入れの注意点、ガラスとの組み合わせ方を解説します。
樹脂とアルミの決定的な違いは「熱の伝えやすさ」
窓の断熱を考えるうえで重要なのが、フレーム素材の熱伝導率です。
- アルミの特徴:熱伝導率が非常に高く、外の冷気や熱をそのまま室内側に伝えてしまいます。冬にアルミサッシを触るとひやりと冷たいのはこのためです。
- 樹脂(塩ビ)の特徴:熱伝導率はアルミの約1000分の1程度とされ、熱の橋渡し(ヒートブリッジ)が起こりにくい素材です。フレーム自体が冷えにくいため、フレーム表面の結露の軽減も期待できます。
- 内窓との相性:内窓は室内側に設置され、雨風や直射日光に直接さらされないため、樹脂の弱点(紫外線劣化など)が出にくく、長所を活かしやすい環境といえます。
内窓の断熱の仕組みについては、建材卸のSYAAが公開している内窓の断熱効果の解説ページで詳しく解説されています。
樹脂フレーム内窓のメリット
- 断熱性の向上:既存窓との間の空気層に加え、フレーム自体も熱を通しにくいため、窓まわり全体の断熱性能の向上が期待できます。
- 結露の軽減:ガラスだけでなくフレームの表面温度も下がりにくく、フレーム周りの結露やカビの発生の軽減が期待できます。
- 色・質感の選択肢:木目調やホワイトなど室内インテリアに合わせたカラーが豊富で、後付けでも部屋になじみやすいのが特徴です。
- 軽い操作感:樹脂は加工性がよく、気密性を高めるパッキン構造との組み合わせで、すき間風の軽減にもつながります。
樹脂フレームの注意点と耐久性
メリットの多い樹脂フレームですが、次の点は知っておきましょう。
- 強い衝撃・高温に注意:アルミより表面が柔らかいため、強い衝撃で傷が付くことがあります。またストーブの熱風が直接当たる配置は避けるのが無難です。
- お手入れ:基本は乾拭きか中性洗剤での水拭きで十分です。シンナーなどの溶剤は変色の原因になるため使用しないようにしましょう。
- 耐用年数:室内側で使用される内窓の樹脂フレームは劣化要因が少なく、適切に使えば長期間の使用が見込めます。可動部の戸車やパッキンは消耗品として交換可能です。
ガラスとの組み合わせで性能が決まる
内窓の性能は「樹脂フレーム+ガラス」の組み合わせで決まります。目的別の選び方の目安は次のとおりです。
- コスト重視:単板ガラス。既存窓との二重化だけでも一定の断熱・防音の向上が期待できます。
- 断熱重視:Low-E複層ガラス。特殊な金属膜で放射熱を反射し、冬の保温と夏の遮熱の両方が期待できます。
- 防音重視:異厚複層ガラスや防音合わせガラス。厚みの違うガラスの組み合わせで幅広い音域に対応しやすくなります。
- 補助金との関係:先進的窓リノベ2026事業(1戸あたり最大100万円・2025年より縮小)では、ガラス性能のグレードが高いほど補助単価も高く設定される傾向があります。
グレードごとの選び方の考え方は、内窓のグレード選び方ガイドで詳しく解説されています。
樹脂フレームにまつわるよくある誤解
樹脂窓になじみが薄いぶん、検討時に誤解されやすいポイントを整理しておきます。
- 「樹脂はすぐ劣化する」:屋外で紫外線に直接さらされる場合と違い、室内側の内窓は劣化条件が緩やかです。国内メーカーの内窓は住宅内での長期使用を前提に設計されています。
- 「アルミより強度が不安」:内窓は風圧や雨を直接受けないため、室内建具としての強度で十分に機能します。通常の開け閉めで問題になることはほとんどありません。
- 「安っぽく見える」:現在の樹脂フレームは木目調などの表面仕上げが進化しており、和室向けの色柄も選べます。ショールームや施工事例の写真で質感を確認すると印象が変わるはずです。
- 「掃除が大変になる」:窓が二重になるぶん拭く面は増えますが、結露が減れば日々の水拭きの手間はむしろ軽くなったと感じる家庭も多いようです。
費用の目安
- 1窓あたりの費用:樹脂フレームの内窓は、製品代+工事費込みで約8〜15万円が中心的な目安です。
- 工事時間:1窓あたり約1時間が目安で、既存のアルミサッシはそのまま活かせます。
- 窓交換との比較:既存サッシごと樹脂窓に交換する方法もありますが、内窓の方が工事が手軽で費用も抑えやすいのが一般的です。
まとめ
内窓のフレームが樹脂製なのは、アルミに比べて圧倒的に熱を伝えにくく、断熱・結露対策という内窓の役割に最適だからです。室内側で使うため樹脂の弱点も出にくく、ガラスとの組み合わせ次第で断熱・防音・遮熱と目的に応じた性能を選べます。費用は1窓約8〜15万円、工事は約1時間が目安です。製品の種類や特徴は内窓・二重窓の総合解説ページにもまとまっているので、比較検討の参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 樹脂フレームは変色したり割れたりしませんか?
室内側で使う内窓は紫外線や風雨の影響が小さく、変色・劣化は進みにくいとされています。通常の使用で割れる心配はほとんどありません。
Q2. アルミフレームの内窓はないのですか?
現在流通している住宅用内窓は樹脂フレームが主流です。断熱・結露対策という内窓の目的に対して、アルミでは性能を発揮しにくいためです。
Q3. 樹脂フレームでも防火地域で使えますか?
内窓は室内側の設置物のため、防火規制の対象となる外部開口部とは扱いが異なります。ただし建物の条件によるため、心配な場合は業者に確認しましょう。
※制度・価格は実行日時点の情報です。最新情報は公式情報をご確認ください。
※本記事の費用相場・補助金などの情報は、建材・住設卸のSYAA(エスワイエーエー)が公開している解説ページを参考にしています。

